日本の食文化を守る信濃屋
- 千葉 芽弓
- 2024年1月10日
- 読了時間: 4分
1930年東京・世田谷の酒販店からスタートした信濃屋。現在東京・横浜エリアに酒販店を13店舗、スーパーマーケットを4店舗(六本木ヒルズ店、代田店、野沢店、喜多見駅前店)を展開しています。

「食べ物で体はできている」をテーマに掲げ、豊かでおいしくヘルシーな食を家庭に届けています。

1930年創業時には、世田谷にかつてあった中原市場内にてスタート。スーパー事業は、1951年よりスタートし70年が経ちます。
六本木店は今年7月にオープンし、木樽をモチーフにした新しい旗艦店として人気のショップとなっています。1階には国内外様々なお酒やお酒に合うおつまみや惣菜などを中心に、そして2階には生鮮食品や青果類や日常の食材をずらりと揃えています。プライベートブランド品もいろいろです。自社セントラルキッチンで作る添加物に頼らず素材を生かした惣菜を幅広く取り揃えています。
ヴィーガンやオーガニックなどの商品も色々あります。



捨てられてしまうものを活用しアップサイクルで作るオリジナル商品もいろいろあり、サスティナブルな取り組み姿勢が随所に窺われワクワクします。


虎ノ門ステーションタワーに新店舗のコンセプトショップを年明け1月にオープンを予定しているそうで、レストランとのコラボの新たな店舗となるそうです。

海外のスーパーのようにホットデリの提供をすることで、フレッシュな美味しさをそのまま、添加物の削減やフードロス解消にも努めていくそうです。


パンも無添加で自社で焼き上げたものです。シンプルで自然な原材料のみで作られていて、価格もリーズナブルでありがたいです。


今では希少となる木桶職人を守る。発酵文化を大切に、その作り手を守り、思いを伝え、未来に繋げるために、信濃屋は安心安全な食を届けることを大切にしています。
六本木店では毎週末生産者を呼んでイベントを行ったり、子供たちへの食育にも力を入れています。

店舗の中にはたくさんの大切なメッセージがさりげなく織り込まれていて、それらを目で追っていくのも楽しいです。

信濃屋は、食の本質を伝えること、生産者さんの応援を大切に、他ではやらないことをやる、そして社員の皆さんも楽しみながらやることを心がけているそうです。5〜10年後、未来をみて動くことを心がけていると、店内を案内してくださった担当の方がおっしゃっていました。
持続可能な日本の食卓。生産者が減れば自給率が減る、それは当たり前でありながら見失われがちです。

信濃屋にはこだわりの生産者さんの想いやメッセージが、買う側にダイレクトに伝わる売り場になっていて、環境の変化や市場の厳しさで伝統を貫くことが生半可ではできない中、がんばる生産者さんたちにとってどれだけ励みになることでしょう。

木桶職人復活プロジェクトでタッグを組み、絶滅の危機に瀕している木桶とその作り手を守り増やすことに注力しています。

江戸時代までは、和食のベースとなる醤油、味噌、酢、味醂、酒などの基礎調味料はすべて「木桶」でつくられていましたが、費用対効果が合わないという理由で減少の一途。最も多くの木桶が残る醤油業界でも1%以下まで落ち込んでいるそうです。
大桶を製造する桶屋は今では1社のみとなり、木桶文化は絶滅の危機にあります。発酵が世界的に注目される中、木桶のある蔵では、生きた桶と微生物が共存することによりその蔵特有の生態系をつくり、その蔵元にしか出せない醸しが生み出す味や旨味が作り出されます。
日本の素晴らしい発酵文化の一つのキーでもある木桶。森林の国だからのこその呼吸する天然木を生かした醸しのなせる深い味わいは、大量生産のステンレスのタンクには決して出せないものだと思います。

六本木店では、直径約1.8m、高さ約2mもある空の木桶の内側を見ることができるよう逆さまに吊るして、その美しい職人技を店内ディスプレイにしています。日本の食を根っこから守る、作り手のことから消費者の健康まで真摯に考える信濃屋を心から応援したいと思います!
信濃屋のスーパーマーケット業態のお店は東京の東エリアに店舗がないので、銀座あたりにできてくれたらいいなぁと密かに願っています。
信濃屋公式サイト
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