日本を代表する麺の蕎麦は庶民食としても身近なもの。北の蕎麦と西のうどんと言うように、蕎麦は主に寒冷地や高地で栽培が盛んでおいしいため、温暖な西日本では良質な蕎麦が採れにくく、うどんの方がメジャーなようです。
蕎麦は縄文時代の後期の遺跡から蕎麦の種などか発掘されているため、その当時から食べられてきたのでは?と言われています。
蕎麦の原産国は中国の雲南省辺りと言われています。痩地や荒地でも育ち、秋蒔きで収穫ができることから、米の補食として私たちの命を繋いできたのでしょう。蕎麦は18世紀後半ころから人気が高まり、それぞれの地域で原種の在来蕎麦が愛され、その伝統を守ろうとする動きがあります。
江戸時代につなぎとしてお粘や潰した豆腐、山芋などを使い、やがて小麦粉を使った二八蕎麦(蕎麦粉8割、小麦粉2割)の黄金比と言われる蕎麦が普及しました。二八蕎麦は喉越しと蕎麦の香りのバランスがよく、蕎麦を打ちやすいということから黄金比と言われるように。また今も山芋をつなぎにした蕎麦や、新潟の魚沼地方発祥の「へぎそば」は、「ふのり」という海藻をつなぎにしています。
十割蕎麦は蕎麦粉100%、九割蕎麦は蕎麦粉が90%となっています。
蕎麦の実を皮付きのままで丸ごと挽く玄蕎麦の田舎蕎麦、皮を取り除き蕎麦の実の中心の柔らかな部分のみを挽いた粉で打つ更科蕎麦があります。蕎麦の御三家と言われるのが、「更科」「藪」「砂場」
「更科」は、更科粉といわれる蕎麦の中心部分の白い一番粉を使った麺で、蕎麦独特の風味は弱く、甘く上品な味と言われています。
「藪」は、幕末の頃に東京の根津にある団子坂にあった「蔦屋」が発祥で、蔦屋が藪に囲まれていたために名付いたそうです。蕎麦の実の甘皮の部分を適量挽きこむため、その色の緑色の麺と、塩辛いつゆが特徴です。
「砂場」は、3つの中で最も歴史が長く、大阪が発祥で甘めの濃いつゆが特徴。蕎麦は二八蕎麦です。
蕎麦と一言で言ってもそれぞれ特徴があり、味も香りも食感もそれぞれで好みも十人十色。ぜひお好みの蕎麦を見つけてみてください。
蕎麦はルチンという抗酸化作用の高いポリフェノールの一種が豊富に含まれ、他にもビタミンB1、B2、タンパク質、食物繊維も豊富で、低カロリー、低GI食品のため、ダイエットにもよいと言われています。
冷地で育つ蕎麦は、マクロビオティックでは穀類の中でも一番陽性なもので、身体を温めると言われています。温かい蕎麦にたっぷりのネギや大根おろしなどの薬味を添えて食べればこころもカラダも温まるはず!せっかくならつゆは無添加無化調、白砂糖不使用なものを選びたいですね。
余談ですが、麻布十番の堀井更科では、ヴィーガンメニューの提供をスタートされているそうです。
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