今、収穫時期を迎えはじめている日本古来の野生種の山ぶどう。小粒な実で濃縮した旨味のある山ぶどうは、古来種なので小さい実のなかに沢山の種もあるため、その果汁はとても貴重なものです。
山野に自生する山ぶどうの7〜8割はオスの木で、実をつけるメスの木はたった2〜3割。しかもメスの木はオスの木の交配がないと実をつけません。メスの花はオスが10㎝以内にないと受粉しないそうで、とても希少なものです。
メスの花はオスの花より少し大きめなのでそれで見分けます。
岩手の山村では、山から山ぶどうを採取して産前産後の妊婦さんにプレゼントしていたそうで、ポリフェノールのほか、普通のぶどうよりカルシウム、鉄分、ビタミンCが豊富なことも特徴です。
山ぶどうは酒石酸があるため、それを濾過するのに数ヶ月を要するので、2月初旬ころから出回ります。
古くから貴重な果物であった原種の山ぶどう。古事記には、「イザナギが蔓草の髪飾りを解いて投げると、それが山ぶどうに変わり、ヨモツシコメが山ぶどうの実を食べている間に、イザナギはどんどん逃げる」という記述や病気に苦しむ人々を助ける仏様の薬師如来の台座には、ブドウ唐草の文様が描かれています。
私のご縁ある岩手県矢巾町では、「やはば山ぶどうの会」が、この日本古来の野生種の山ぶどうを町の特産品として育成・普及し守っています。
原液100%を絞ったジュースは、糖度が高く濃厚なコクと甘酸っぱさは他にない美味しさです。
遺伝子操作や改良をされていない魅惑の日本の果物を未来に繋いでいくためにも、ぜひこの山ぶどうの原液ジュースを飲んでみてくださいね。豆乳などで割ったり、ヨーグルトにかけたり、ゼリーにしたり、そのおいしさは悶絶ものです。
矢巾町での山ぶどうの収穫は10月下旬です。機会があればぜひ現地に足を運んでみてくださいね。
※参考資料:NPO法人やはば山ぶどうの会
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