お正月にいただく御節料理は、もともとは節目に当たる節句の料理をすべて御節料理といい、神様にお供えする料理のことを総称していました。年神様をお迎えし、新たに始まる一年に、無病息災と五穀豊穣を願い年神様に奉げた供物を、神様とともに頂く意味がありました。
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
お正月に使う祝い箸は、両端が細くなっているのは、両口箸と言い、片方は神様が使い、もう片方は人が使い共食(直会)の意味からなのです。
祝い箸は末広がりの八寸(24㎝)でしなやかで折れない柳の木で作られています。
ひとつひとつに意味や願いがこめられているのは素敵ですよね。
今では三段~一段が一般的ですが、正式な御節料理の内容は以下の通りです。
■一の重
三つ肴をいれる
数の子(ニシン(二親)の子で、子孫繁栄を表す
ごまめ(五万米(田作り)五穀豊穣を表す(鰯の稚魚を肥料にしたら五万俵の収穫があったところから)
黒豆(黒く日焼けし、皺が寄るまでまめに働く)
■二の重
口取りを入れる
栗きんとん(金運を呼ぶ縁起物)
伊達巻(巻物=学問向上)
紅白蒲鉾(紅は魔除け、白は清浄)
■三の重
焼き物を入れる
海の幸(海老、あわび→長寿、鯛→おめでたい、鰤→出世)
酢の物
■与の重
煮物を入れる
山の幸(八つ頭(頭になる)、里芋(子孫繁栄)、蓮根(見通しがよい)、こんにゃく(手綱)、くわい(出世)、どんこ椎茸(陣笠))
ちなみに、五の重は空にする習わしだそうです。
酒は最上の供物とされ、お屠蘇は邪気を祓い、身を蘇らせるという意味があり、もとは中国の名医である華陀が調合した長寿の薬草酒だったそうです。
最近の御節料理は、肉だけのお節料理や、様々な創作や嗜好品にかわる傾向があり、だんだんと薄らぐ本来の伝統を、あらためて知り伝えることは日本人としてとても大切なことですね。
肉や魚介類、卵など動物性の食材を使わず、野菜や豆、海草、穀類などを使い作っています。
巳年は、み=実りを表すため、収穫や金運の年や、また蛇は脱皮を繰り返すため変革、進化の年になるとも言われています。
みなさんにとって健康で幸多き一年となりますように。
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