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  • 執筆者の写真千葉 芽弓

ニンニクの芽

旬の2週間程度、梅雨前が収穫時期のニンニクの芽は、ニンニクから出る花芽・花茎の部分の可食部のことをいいます。芽といっても毒性はなく、しゃしゃきした食感と、ニンニクよりにおいは柔らかいです。



ニンニク同様に殺菌作用の高いアリシンが豊富で、芽のほうが栄養価が高いと言われ、疲労回復や滋養強壮、免疫強化や感染症予防にもよいと言われています。また、お肉をはじめ動物性の消化分解を助ける作用もあります。



今回、河口湖で自然栽培でニンニクを育てる「Green Kids Farm」さんにお話を伺いました。


ニンニクの芽は輸入品が多く、自然栽培のものはとても希少だそうです。日本で栽培されるほとんどのニンニクの品種は、花茎はあまり伸びないため、市場に出回るニンニクの芽のほとんどが中国からの輸入品です。



5年かけて河口湖の気候に合い、無農薬無化学肥料でも育ち、茎も根も食べられる北海道の在来種のニンニクを探し当てたそうです。小ぶりで薄皮が紫色の野生種ニンニクは、河口湖の冬の凍る土の中でも越冬できる強い種が春に発芽し、糖度がずばぬけて高いおいしいニンニクの芽ができます。


冬は氷点下12~13度になり、急に霜が下りる山の天気と気候はまるで北海道に似ているのでは?と富良野の在来種のニンニクに行きついたそうです。ちなみに、肥料をいれると、発がん性物質になる硫酸イオンが作られます。


芽を採ったあとのニンニクは玉を育て黒ニンニクにするため、花芽の採取のタイミングを見極めるのもとても重要とのことです。そして、芽の収穫の時には、刈り取る時にでる白いエキスが手を荒らすため、収穫作業はとても大変です。


生産者さんのご苦労は図りしれず、知らないことが沢山あり、食べているだけの都会人はあらためてお話を聞くとありがたみを感じますよね。


こどもたちの未来を考え、自然栽培の農家が持続可能で生計が立てられることを体現し、そして皆が健康になってほしいと、富士山の麓で日々頑張っている「Green Kids Farm」の酒井夫妻の活動に頭が下がる思いです。



■ニンニクの芽の見分け方と保存法


売られているものはまっすぐで茎の真ん中あたりのみですが、本来はくねっと曲がっていて花芽もついています。もちろん花芽も食べられます。

 

採れたてのニンニクの芽はみずみずしく美しい緑色をしています。


保存は濡らした新聞紙などにくるんで、ビニール袋にいれて野菜室で冷蔵で保管します。早めに食べるのがおすすめです。すぐに食べられないときはさっとゆでて冷やして水気をふきとって冷凍しておくといいそうです。



■おいしい食べ方


そのままソテーして塩コショウで、お肉やお魚と合わせて炒めたり、カルパッチョのようなものに乗せるのもおいしさだけでなく消化補助にもなります。


また、細かく刻んでペペロンチーノのようにパスタのベースにしたり、チャーハンに入れたり。細かく刻んでオリーブオイルに漬けて冷蔵庫に保存しておけば、通年で使えます。


■がんの予防や治療にも力を発揮するニンニクパワー


ニンニクはアメリカの国立がん研究所の「デザイナーフーズ・ピラミッド」の再頂点に位置付けられています。デザイナーフーズ・ピラミッドとは、1990年アメリカの国立がん研究所が発表したデザイナーフーズ計画(designer foods project)が発表で、長年の疫学的研究データに基づいたがんの予防に効果のある植物性食品(主に野菜や果物などの約40種類)をピラミッドの表にまとめたものです。


強力な抗酸化力を持ち、特有のにおいの元の硫化アリルは活性酸素を除去し、アリシンやセレンといった成分が、がん予防にパワーを発揮します。特に食の欧米化で肉食の多い方は、ぜひ食事にニンニクを取り入れるといいかもしれません。


 

[Green Kids Farm]

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