インスタグラムで見て、そのお料理の美しさと世界観に魅せられ、いつかは行きたいと思っていた群馬県前橋市にある「AWATAMA(あわたま)」をご紹介します。
緑に囲まれた店構え、看板すらもひっそり、ここを目指してこないとわからない店構えは、北欧の隠れ家レストランのような雰囲気です。
AWATAMAは、自然栽培やオーガニックの旬の野菜をはじめ、天然素材と調味料で作るシェフお任せのコース料理のみを提供する予約のみのレストランです。
そして化学調味料、加工精製食材などは不使用です。
緑のアーチを潜り抜けてドアを開けると、天然木に暖炉のある店内に期待が高まります。
暖炉の温かい火にも癒されます。
シェフもスタッフの方もスタイリッシュな出立ち、客席からも見ることができる厨房内も雑誌の1ページのようです。クラフト工房のような洗練された厨房に立ち、調理されるシェフの姿もスマートでとても絵になります。
オーナーシェフの大林秀紀さんは、インスピレーションを大切に、旬の野菜、地の野菜をシンプルに調理することを心がけているそうです。
1999年〜2003年までは、池袋でsunというダイニングバーでヴィーガン料理とアイタルフード(ジャマイカのラスタのベジ料理)のお店を経営されていました。10代の頃からジャマイカ音楽に魅せられた影響からラスタ文化やベジ料理に傾倒したそうです。
2004年から2008年まで埼玉でヴィーガン料理教室やケータリング料理などを経て、2009年に地元群馬にUターンし、AWATAMAをオープン。日々、試行錯誤さながらオリジナルのヴィーガン料理を目指されています。
◾️この日のコース料理
ここにきてぐっと気温が下がりようやくこの時期らしい気候になりました。旬の根菜をふんだんに使ったお料理たちをご紹介します。ランチはフルコース6000円、ライトコース5200円、ディナーはそれぞれ500円プラスで、ほぼ同価格てす。
・蕪のファルシ/蕪の葉とハーブのクリーム
プレートの食用菊のソースと完熟柿のピュレと粒々で味のハーモニーを楽しめます。
・自家製全粒粉パン
・カリフラワーのフリット/カリフラワーとケールのクリーム
クリーミーなソースにブレンドされたスパイスの香りがフレッシュな余韻を残してくれます。カリフラワーがほぐされてベサン粉でフリットされている食感もやさしい。
・蓮根ときのこのローフ根菜のスープ仕立て
豆も大豆ミートも使ってないのにジューシーで複雑な食感。根菜の旨みたっぷりのスープとの相性も抜群です。
・デザート/ショコラケーキとヴィーガンバニラアイスクリーム
お茶またはコーヒー
食前に頂いた自家製ジンジャーエールはパンチの効いた濃厚なおいしさ、体が芯から温まる感じでした。
音楽がお好きなようでEP版のレコードがずらり、こだわりのスピーカーもマニアにはたまらないものです。音響業界出身の筆者も、懐かしいレアスピーカーを発見し、そのことを話すと共通の話題に顔が綻んでくださり、急に親近感がわきました。
職人気質一徹、初めは話しかけにくい雰囲気でしたが、ブレない姿勢、料理人としての凛としたプライドが生み出す素晴らしいパフォーマンスに、賞賛の気持ちとともに、食通である筆者としても三本指に入る、絶対また訪れたいと思うレストランでした。
連れもみんな料理人であり、皆が口を揃えてその感動を共有できました。シェフは、レストランを訪れるご縁ある人に期待値以上の食体験を提供され、その口コミこそが信頼のおける評価であると、宣伝などは一切していないとの事です。
予約された方のニーズに寄り添い、各種アレルギーなど個別の対応にも応えてくれるそうです。
敷地内に隣接するのは、奥様が経営する都心でも人気のヴィーガンアイスやドーナツなどのTenARIの工房です。
レストランは"食べる"だけでなく、五感で楽しむ、空間体験であり、シェフとお客様のその時その瞬間の一期一会のご縁から生まれるものなんだと再認識する時間となりました。
大林さんは、レストランとしてもうひとつ上のレベルを目指せるようにすることを目標に、将来的にはレストラン以外にも色々と展開したいとビジョンを描いているそうです。
前橋に名店あり。ぜひ訪れてみてください。
AWATAMA
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