海と柑橘畑を見下ろすウェルネスホテル。至福のイノベーション精進料理で最高のおもてなし!
松本料理長は明るく、気さくでお料理のことも惜しみなく説明してくださいます。
江之浦リトリート凛門(りもん)
東洋のリヴィエラと称される相模湾と江之浦漁港を見下ろす絶景地に、2021年6月末にオープンしたウエルネスリゾート「江之浦リトリート凛門(りもん)」
小田原駅から2つ目のJR東海道線「根府川」駅から送迎車で7分ほどの場所にある。江之浦は、かつて豊臣秀吉が千利休に銘じて茶室を作らせた場所でもあり、また建築家のブルーノ・タウトが「東洋のリヴィエラ」と称えた知る人ぞ知る絶景地でもあります。
健康と免疫をテーマに、建物は天然木をや土壁などの自然素材にこだわり、隅々にまで環境に配慮した設備、世界初の天然クラフト温泉の温浴施設の「LeFuro TOJI(ルフロ湯治)」を完備、そして健康の根源となる地元のオーガニック食材を中心にした食事でトータルケアをするリトリート型ホテルです。
ダイニング天地の名称は、北鎌倉の禅寺である建長寺の食前の言葉である
「天地一切衆生の恩徳を思い 己が行いを省み 貪りの心を離れ 心静かによく噛みて 道業を成就せんがためにこの食を戴きます」
から付けられており、天地=自然の恵みからいただく食べ物すべてに感謝し、一品一品に万物への感謝を込めて丁寧に食材に向き合い調理するという心が込められています。
日本料理の研鑽を積んできた料理長の松本淳さんが江之浦の土地と向き合い、自然の資源との共生を大切にし、素材の味を最大限に引き出しています。お客様のニーズや、多様性対応の中で、ヴィーガン、マクロビオティック、グルテンフリー、発酵食などを独学で学び、日本の食と身土不二を大切にしたヘルシー×イノベーティブな料理を提供しています。
体験!日帰りの温浴+コースランチ
今回、日帰りの温浴+コースランチに伺いました。ホテルは靴を脱いで足からも天然木のぬくもりが伝わります。オリジナルハーブティーのウェルカムドリンクは、緑茶にユーカリとタイムがブレンドされた爽やかなお茶で、すっと乗り物移動の疲れを癒してくれます。広い窓越しにデッキテラス席、青い空と青い海が広がるダイニングスペースには、一枚板の無垢の木のテーブル、インテリアの美しさと心地よさにも魅了されます。加工品や化学調味料、白砂糖をつかわないヴィーガンコース料理と聞いて心が躍ります。
では、本日のコース料理をご紹介します。
1.塗香(ずこう)
お料理のスタートに提供された塗香は、数種の香木を混ぜて粉末にしたもので、仏像や修行者の身を清めて穢れを除くものだそう。自律神経を整える効果もあり、両手で擦り合わせ温めて、首筋や気になる箇所に塗ることで、嗅覚からも癒しを演出しています。
2.先附(さきづけ)
里山野菜のエスプレッソ。美しい器の上には夏椿の葉があしらわれています。
3.無塩スープ
その日の料理に使われた野菜で取った濃厚な旨味たっぷりの無塩のスープは五臓六腑にしみわたります。
4.芳味(ほうみ)
燻し下中玉ねぎの温薫ポテトサラダのミックスフリット。下中玉ねぎやじゃがいものムース、塩麹と豆乳のペースト、足柄の農園のマイクロリーフやエディブルフラワー、生粒コショウや新ごぼうとカラフル人参のフリットがアクセントになっています。スモークの香りと様々な味わいが次々と口に広がり、幸せな気持ちになります。
5.メインの箱膳
9種のお料理左上から
・ナッツ白和え 粟麩胡麻みたらし
・丸十おろし和え
(さつまいも米粉揚げと大根おろし&べっこうあんかけ、三つ葉と炭火焼きのエリンギ添え)
・高野豆腐含ませ
(揚げた高野豆腐のたたきモロヘイヤかけ、生きくらげ添え)
・筑陽茄子の味噌煮
・唐柿寄席 長芋の昆布〆、大根
(トマトの寄せもののマグロ風)
・坊ちゃんかぼちゃ小倉煮
(かぼちゃのいとこ煮、小豆かぼちゃと言われるもの。おかひじきの煮びたし添え)
・切干大根香味和え
・湯葉蓮根
(魚の焼き物風。柑橘の果汁をじっくりにつめたジュレ、きゃらぶき添え)
・原木椎茸香煎揚げ
(パン粉と車麩のすり下ろした衣の椎茸揚げ、干し椎茸の粉末入り塩付き)
6.食事:土鍋炊き十六黒米ごはん
きんぴらごぼう、万願寺煮びたし、空心菜炒め、ズッキーニの漬物、レンズ豆の呉汁です。
7.精進カレー
8:甘味
ヴィーガンチーズケーキ、醤油麹のショコラムース、すもも餡ジュレ、玄米かんぴょうかりんとう、レモンバーベナの葉です。
リクエストメニュー
リクエストで精進ラーメンもいただけます。
一体何十種類のお野菜や食材がはいっているのでしょう!わくわくする美味しさ、ボリューム、美しさは、どれも至福の品々です。精進料理やヴィーガン料理でよく物足りないとか、味気ないと言われることがありますが、上手に揚げ物も組み合わせていて、男性も満足できるとコース料理です。
日本料理をベース大切に生かしながらも、様々な国の料理のエッセンスを取り入れ考え抜かれたヴィーガン料理は、まさに「生まれ変わった日本料理」。日本の器、焼き物、漆器、カトラリーや折敷なども美しく、時を忘れ、目でも幸せを感じることのできるものです。五感を刺激し、日本の伝統食材や発酵が活かされたお料理は、日本人はもとより、日本を訪れる外国人にもぜひ食べていただきたい!と強く思うものでした。
健康な食は、目でもわくわくすること、そしてしっかりと消化吸収できることが大切である
その思いをもち、素材を大切にした調理を心掛けているそうです。
野菜は切れ端はへた、皮までくまなく使い切り、最後にはコンポストで堆肥にし、敷地内の自家菜園の肥やしにしており、フードロスや循環にしっかりと取り組まれています。スタッフのみなさんは和気あいあいと明るく、とても温かくおもてなししてくださり、和やかな雰囲気が日常の疲れを癒し、心身を解き放つことができます。
江之浦リトリート凛門は、「お客様にとっての”パワースポット”になり、自然に人が集まるまる場所になっていけたらと願っています」と帰りの車の中でスタッフの方から聞いて納得しました。都心から1時間半。サービス精神あふれるプライベートリゾートに、ぜひ足を運んでみてください。
江之浦リトリート凛門
「ダイニング天地」
所在地:神奈川県小田原市江之浦218-1
電話番号:0465-27-3711
案内していただいたお部屋もとても素敵でした。私も次は宿泊で訪れたいと思います。
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