寒天は、テングサなどの海藻を煮出し、精製・乾燥して作られており食物繊維の含有量が全体の80%を占める驚異的なヘルシーフードです。
最近では粉末の寒天がメジャーですが、本来の伝統製法の寒天は棒寒天や糸寒天の形状です。棒寒天は長野県茅野市の気候風土を生かし、昔ながらの製法で、自然の寒気を利用して凍結乾燥させて作られています。一方糸寒天は岐阜の恵那地方に伝わり、いずれも山間部の盆地で、昼と夜の寒暖差が少ない、寒天作りに適した気候になっています。
天然寒天の製造には、寒さと湿気の少なさ、寒暖差、きれいな水があることが必須条件。
棒寒天の名産地、盆地で昼と夜の寒暖差の激しい諏訪エリアでは、毎年寒冷期に入ると休耕地の田んぼに干された寒天がきらきら日の光で反射する風景はとても美しいものです。冬場のこの地域の季節の風物詩ともなっています。
寒天の食物繊維は構造が非常に細かく、水分をたくさん取り込んでゲル状に固まるという特徴があるため腸の大掃除にもぴったり。しかも、体温では溶けないのでそのまま腸に届き、腸壁を刺激して便通促進すると同時に不要物や毒素を吸着して、体外に排出するのを助けてくれるとても優れた食材なのです。
海に囲まれた海草の宝庫、日本。寒天は日本のスーパーフードとして世界に誇れるものだと思います。固めて食べるだけでなく、煮溶かした状態でスープなどにいれたり、ご飯に炊き込んだりして、現代人に不足する食物繊維を補うのにも有効です。
特に昔ながらの製法でつくる棒寒天は、茅野市の調査でコレステロールの低下に効果的なことが証明されたそうです。厳しい気候の中で伝統を守り作られる棒寒天。粉寒天ではなく本物の天草の寒天のおいしさをぜひ味わってみてくださいね。
【寒天の歴史】
かんてんパパのサイトより
※寒天は80度以上で溶ける性質があります。一旦固まったものも再度火にかければ溶かすことができます。
ベーシックな寒天の作り方
鍋に水を500mlと棒寒天8gを細かくちぎって浸水させる。(粉寒天の場合は4g、浸水不要)
中火にかけて木べらなどで混ぜ、沸騰したらふつふつと煮立つくらいの火加減にしてさらによくかき混ぜながら固まりがなくなるまで煮溶かす。(粉寒天の場合、先に泡立て器でよく水に混ぜてから火にかける)
1~2分ふつふつと煮て、容器に入れ冷やし固める
しっかりと煮溶かして固めることがポイント!
黒蜜やきなこ、あんこと白玉などと一緒に食べたり、フレッシュなみかんやりんごなどのストレートジュースと一緒に煮溶かし固めたフルーツ寒天にしたり、醤油と黒酢と青のりと和からしでところてん風、など好みの食べ方で、つるりとひんやり喉越しのよい寒天を楽しんでくださいね。
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